カムイセレネblog

あなたが嫌悪するヴァーチャル関係での「ごっこ」の内容読ませていただきました。
できもしないことを書いて「ごっこを楽しむもの」を嫌悪する、あなたの気持ちを考えておりました。

あなたによくない感情を抱かれた方も多数いるとお伺いし、私もあなたの言葉足らずな文面にあなたの意図がわからないままでおりました。


あなたを批判した方は、いわゆる「個人の事情」というものを重視するのが大人としてのマナーだし、様々な個人的な事情から、「ヴァーチャル」を逸脱するのは危険をともなうのだから、ごっこで楽しむのは当然なのだという考えの方がほとんどでしょう。
女性は現実にするのが怖いしリスクがある。
男性は断然リアルにしたいし、行動に移したいと思っている。
そしてあなたの主張した文面はその事情や心情をまったく無視した不愉快なものであると皆が判断したのだろうし、当初私もそう考えていました。


しかし、よくよく考えてみれば、あなたの行われているのは「調教」を含めた「プレイ」でもあります。
特に「調教」というものを感じているあなたにとっては「プレイ（遊び）」との重みの違いがわかるのでしょう。
プレイと調教の違いもわからない人間は、あなたの主張を理解できないだろうし、私も最初はあなたの置かれている状況を考えるまではわかりませんでした。


「調教」とはいわば「パブロフの犬」を作り出すことです。
ベルを鳴らしてえさを出す。
それを繰り返された犬はえさを出されていなくても、ベルを鳴らしただけで、えさを食べている状況と同じように多量の唾液を出すようになります。
これを人間に言うならば「その人間の意思に関係なく身体・条件反応を引き出す」ことを「調教」と言います。
これは「最初からできることをさせて楽しむ＝プレイ」とはまったく別次元のことです。
道具を見たら意思に関係なく体が勝手にうずく。
道具を使って暴虐の限りを尽くしていたぶる人間を思って勝手に濡れる。
ＳＭとは無縁だったはずの処女が踏みつけにされて鞭で血が出るほどぶたれても逝ってしまう体にするのが「調教」です。
これは条件反射を叩き込み、もはや反応を純粋に追及する行為であります。


しかし、あなたの根底には心があります。
もっと人と真剣に向き合いたい、相手を一身に受け止めたい、命に対する思いというものがあります。
泣き叫んだり、壊れそうになるほどの恐怖を覚えたり、傷つきながらもあなたが見つめているのは、相手の魂です。
だからこそ、この体で受け止めたいのだと。
だからこそ、人間と向き合おうともしないまゆつばなものを嫌悪する。
あなたは「調教」を受けながらも、同時に「人間らしくありたい」と願っている。
そんな人間への真剣な気持ちから、今回の文面になったのだろうと思います。


「心のある調教」・・・純粋に「調教」を楽しむ人間にはプレイでしかすぎない下劣な言葉でしょうが（調教には心は必要なく相手の体が勝手に反応していくプランと行為だけあればいい）、相手の覚悟と自分の覚悟がなければ「心のある調教」関係は成り立ちえない。
むしろ、これはあなた自身の相手の受け止め方の問題でしょうが。


やる気もないのに言葉だけ。
都合が悪くなればさっさと逃げる。
相手を無視して自分の都合ばかりで、向き合おうともしない。
そんな覚悟も何もない反吐の出るような欺瞞や偽善をあなたは嫌悪するのでしょう。
「相手は生身の人間なのに、どうして嘘の関係で成り立ちえるのか」と。
あなたは傷を負ってでも相手を受け止めようとする。
それに比べれば、傷つきもしようとしない生ぬるい騙しあいなど、あなたにとっては嫌悪でしかないだろうことは学ばせていただきました。
しかも自分だけでしか楽しめないプレイはプレイにすらなり得ない自慰行為であることも私なりに考えた結果得たものです。
そして、私もあなたも言葉の素晴らしさを知り、それを否定したいのではなく、「もっと人間と向き合おうよ」という真っ直ぐな態度なのであるということを、私から念入りに補足させてもらいます。


返信の文面としてはくどく、読みづらいものになったでしょうが、普通の人にもわかるようにこのことをお伝えするのはとても難しいことなのです。
手前勝手な長文にはなったかと思いましたが、これをあなたへの返信とさせていただきます。


Ｐ．Ｓ．
相手をずたずたにして、傷ついて離れるような関係なら、昨日まであった信頼関係など、ただの幻でしかないのでしょうね。
壊れる程度の「信頼関係」。立派な言葉です。
本当のことを知っている人間は、その幻影的共同意識を心底嘲笑しているようです。

「紙一重でも、超えると超えないとでは雲泥の差がある」